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 2007.04.19

『ボクの考え 「量と質」』

最近若い選手に、基礎体力のない人が多いなあと感じる。
と同時にもったいない!とも思う。

今の時代、いろいろな練習方法が取り入れられ、新鮮だし、楽しくもあり、期待感もある。
だけど、一番大事な部分が忘れられている気がする。

それは『 基礎 』だとボクは考える。
その中には『 技術的な基礎 』『 基礎体力 』『 精神面における基礎 』など、本当に自分の土台となるものがある。

最近アマチュアの選手が、科学的というか合理的というか、そういったトレーニングが主流になりつつあると知った。
でもそういうトレーニングは、基礎体力があって初めて効果が大きくなるのではないかなと思う。

例えていうなら、「ピラミッド」を思い浮かべてみる。
一番下の段を「体力」として、その上に「技術」を積み上げていくと、下の段が大きければ大きいほど、「大きなピラミッド」ができる。
結局、技術を修得するための反復練習も、体力がないと続けられない。
だから、より高い所を目指すためには、体力がないと、より高い所にはたどり着けないのだ。

それではどうやって基礎体力をつけるのかというと、『 量 』をこなす以外ないのではないかと思う。
『 量より質 』ということももちろんある。
でも若いうちに「量」をやっておかないと、歳を重ねると「量」はできにくくなる。
なぜかというと、ボクの経験上では「30歳」ぐらいから回復力が少し衰えてくるから。

その中でも、ある程度骨格や身長などが決まってくる、高校時代〜20歳前後が『 大チャンス!! 』だと思っている。
当然個人差もあるけど、この時期は、もうやればやるほど身に付く、吸収する、まさに『 スポンジ状態 』にあると思う。
だからこのぐらいの歳の選手を見ると、正直いいなあとうらやましく思ってしまう。
ただ30歳を過ぎたからといって、こういった若い選手にかなわないというのは全くない。
今まで経験してきたことで『 質 』を高めることができるから。

「質」=高い意識だと思う。

まだボクが25,6歳の頃、工藤さんと一緒に自主トレをさせてもらってた時に、印象的な言葉があった。

『オレはお前たちより10歳以上年上だけど、お前たちと同じ練習量をしたら、お前たちの倍以上の効果を上げることができる!』

それだけ高い意識を持って練習してるということだ。
工藤さんぐらいの高い意識、正しい動きができない自分たちは、そんな工藤さんに少しでも近づき、追い越そうと思うなら、工藤さんの何倍も練習しなければ到底勝てないのだ。

その言葉が今になって余計に身に染みてくる。

オフによくテレビや新聞などでプロの選手が色んな練習をしているところを取り上げられているが、その中でも斬新なものや、めずらしいトレーニングなどはよく取り上げられる。
そんな影響なのか、アマチュアの選手たちの中には「それがいいんだ」と思い、そればかりに集中してしまうことがある。
確かに、いい練習はしていると思う。
しかし、その土台には、単純でつまらないと思われるトレーニングをイヤというほど、繰り返し繰り返し行っていることを知ってほしい。

まず基礎がしっかりと備わった上で、より高いレベルの練習を行う。
そういった土台、基礎がしっかりしているからこそ、高いレベルの技術が身に付き、土壇場でのスーパープレーや、見ている人を感動させられるプレーができ、そして長く活躍できる選手になるのだと思う。

最大の効果を挙げるのは、量も質もともなった練習であることは間違いない。
でも中には時間が限られてくることもある。そういった時に、いかに集中して、意識を高めて、「質」を上げるかが、効果の大きさに関わってくるとボクは考えている。

『 太くて大きく強い幹の木で、たくさんの大きな花を咲かせたい 』

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